令和4年度 石川未来プロジェクトの成果報告会を行いました

活動報告

2023年1月28日の10時から開催された「石川未来プロジェクト成果報告会」で、一年間の活動内容や提言を発表しました。

石川未来プロジェクトは公益社団法人 大学コンソーシアム石川が主催しているプロジェクトで、各コーディネーターの先生のもとで複数の大学から構成される学生チームが“石川県の未来”について検討します。

今年度のテーマは、石川県の将来的な人口を百万人にする (百万人を維持する) という内容でした。

私はチームB (チーム MACHIYA) の一員として、「学生が研究・教育機関の垣根を越えて専門性を発揮し地域への愛着を深める町家プロジェクト ―20代の転出超過に歯止めをかけることを目指して―」について報告してきました。

令和4年度 石川未来プロジェクトの成果報告会

地域への愛着を深める町家プロジェクトとは

本プロジェクトはSDGsの11番目のゴール「住み続けられるまちづくりを」に関連しています。

最初に、石川県の現状を分析し、「石川県は高等教育機関が集積しているため、大学進学時に県外からの転入者が多い一方で、大学卒業後は就職等を機に県外へと転出する者も多い」[1] という点に着目しました。

次に、20代の転出者を防ぐためには、地域とのつながりを強化し、愛着を深めてもらうことが効果的だと考えました。

また、京都の商店街や龍谷大学、石川県金沢市でフィールドワークを行い、学生と地域との関わりについて調べました。

調査の中で、石川県の町家を活用することに着目しました。金澤町家は、金沢市内にある伝統的な構造、形態又は意匠を有する木造の建築物のうち、本市の歴史、伝統及び文化を伝える建築物で、昭和25年の建築基準法(寺院・神社等を除く)の施行の際に存在していたものを指します [2]。

金澤町家情報館のスタッフさんによれば、町家は約6000軒存在しているものの、耐震や所有者問題などの観点から年々減少しているそうです。

令和4年度 石川未来プロジェクト報告書

私たちの「地域への愛着を深める町家プロジェクト」では、この町家と研究教育機関、民間企業等が連携し、学生に専門性などを磨く場所を提供することを想定しています。

学生は各場所で所属する学科で学んでいる専門性を発揮し、様々なことに挑戦します。例えば、国際系の学科であれば、観光ガイドや外国人観光客向けのパンフレットを作成するなどが挙げられます。

町家や大学などは学生の活動の拠点となります。特に町家は学生が専門に関するイベントなどを積極的に行うことで、地域住民や観光客のサードプレイスになると考えられます。

また、地元企業等にインターンシップの場を提供してもらい、それを通じて学生の石川県での就労を促すような仕組みも可能です。

学生が定められた枠の中で自由にアイデアと活力を発揮することで、地域創生にも繋がり、地域住民との関係性を深める (異文化・異世代交流) ことができると考えられます。

このような仕組みを大学コンソーシアム石川を通じて行うことで、各大学の学生が石川未来プロジェクトのように協力し合い、地域に愛着を持って、県外への転出を抑えることができるのではないかと、私たちは結論付けました。

引用文献

[1] 石川県 (2020). いしかわ創生人口ビジョン改訂版 Retrieved from https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kikaku/keikaku/documents/r2_vision_honbun.pdf (2023年1月31日 閲覧).

[2] 金澤町家情報館 (2016). 金澤町家とは Retrieved from https://kanazawa-machiyajouho.jp/about/ (2023年1月31日 閲覧).

この記事を書いた人
執筆者

テクノロジを活用したメンタルヘルス支援研究や感性工学研究に従事。主にSDGsの達成目標3「すべての人に健康と福祉を」、達成目標4「質の高い教育をみんなに」に取り組む。

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